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越後ジャーナル(2004年 9月24日)

若い後継者の姿に 「うれしい」


新潟県三条市をはじめ、日本の刃物など伝統的な道具類を輸入しているドイツ・バイエルン州メッテン市、ディック社(ルドルフ・ディック社長)の社員、 落合敏恵さん(30)が、3週間の休暇を利用し、三条市、与板町など県内の刃物産地を訪れ、 刃物の製作、研ぎ方や、日本の木工製品について学んだ。


落合さんは、ドイツで木工関係のシュライナーとの名称の職域で、ゲゼレーの資格を取得した職人。
シュライナーとは、壁、ドアなどの内装、家具など、建物内の木製品のすべてを賄う職人。
ゲゼレーとは、日本でも知られるマイスターよりも一段階下の資格。


落合さんは、愛知県小牧市出身。
岐阜県にある大学の美術史学科で、主に建築関係の概論や日本の文化などを学んだ。
卒業後、博物館で働くこともできたが「理論だけを学んでも、人が造ったものの批評はできない。造り方を一から覚えたい」と、職人としての技術を学ぶことを思い立ち、単身渡独。


技術を学ぶ場を日本ではなくドイツとしたのは、経済的な理由が大きかったという。ドイツでは、公共のサービス料を低く抑える代わりに、消費税の16%をはじめ、高い税金でまかなうシステム。
職人を養成する学校もほとんどが国立、授業料は外国人であっても無料。
「東京で暮らして専門学校に通うよりも、お金を抑えることができた」。


そして、4年間学校に通って、シュライナーのゲゼレーとしての資格を取得、ドイツ国内にとどまり、ディック社に入社している。


ディック社は、バイオリン職人に部材と製作道具を提供している150年の歴史ある会社。
25年前、同社で仕事を始めたルドルフ・ディック社長は、金属学の博士号を持っている。
その専門家としての見地から、近年、切れ味と耐久性を合わせ持った日本刃物に力を入れ、三条市内の角利産業(株)をはじめ、職人の手がけた刃物などを輸入している。


また、ディック社では、道具を売るだけでなく、道具の使い方、ものを作ることの楽しさを伝えるため、製作体験のできるワークショップも開設しており、年間100以上のコースを用意しているほど。現在落合さんは、その企画、運営を担当。
ディック社としては、日本の道具を培った文化を吸収するためにも、落合さんは有望な人材でもあるようだ。


今回、落合さんが、来日することになったきっかけは、角利産業(株)の加藤睦宏専務が、三条市内の鍛冶職人に呼びかけたドイツの視察旅行。
一行の旅の様子は、本紙で4月に、加藤専務が執筆して「越後鍛冶職人ドイツを行く」とのタイトルで連載した。
落合さんは、その時に一行の通訳兼ガイドを務めた。
その際、落合さんが「自身のレベルアップのために、ものをつくる道具のメンテナンスの方法、刃物の研ぎ方なども学びたい」との希望を持っていることを知り、メンバーが「三条に来いて」と誘っていたことが、実現して今回の来日となった。

ディック社では、ワークショップの一環で、来年、日本ツアーを企画しているため、その下見も兼ねている。

来日の日程や訪問するメーカーについては、角利産業の加藤睦宏専務が日程や訪問する会社をコーディネート。日野浦刃物工房で切り出し小刀の製作を体験したり、(株)山村製作所で座学を受けたりと忙しく過ごした。
そして、22日には、(有)高三の樫木工房を訪れ、高橋宏明さんと手作り家具について、熱心に話し合っていた。


落合さんは、日本の道具について学びに来た理由について
「ワークショップで職人の方に、日本製の刃物だから研いでほしいと頼まれ、研いだが、うまく研ぐことができなかった。しかし、文化の違いもあるのだろうが、頼んだ人は、仕上がりに対して無反応だった。それが悔しくて」 と笑う。
職人の目で見た三条産地の印象については、同じ職人としての目線で
「私の出身地では、職人の技術を学びたくても『やめておけ』と言われるが、三条では、若い後継者が意欲を持って取組んでいる姿が見られ、とてもうれしい」
と感心していた。

また、将来に向けての目標は、ディック社のワークショップで働きながら、さまざまな分野の職人から幅広い知識と技術を吸収し「シュライナーのマイスター並みの技術を習得し、木工関係で新たな道を探していきたい」と考えている。


落合さんは、22、23日と、与板町で刃砥ぎなどを学んだ。(重藤)



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